私が初めて日本の新幹線に乗ったのは1976年のことでした。それは見たことも経験したこともないものだったので、私は「鉄道の旅とはこうあるべきだ、なぜ私の母国、米国には新幹線がないのだろう」と思わずにはいられませんでした。

なぜ米国には新幹線がないのか。それは「を実現するのは簡単ではない」からです。巨額でしばしば議論を伴う投資をはじめ、高速鉄道を建設するにあたり克服すべき課題は数多くあります。日本において東京と大阪の間に最初の新幹線が完成したのは1964年、東京で初めてオリンピックが開催されたのと同じ年ですが、新幹線開業までには大変な困難があったことを、私は昨年IHRAに参加して初めて知りました。しかし、これらの課題を克服したことで、新幹線は日本経済を世界第 2 位の自由市場経済に押し上げるインフラ投資の一つとなったのです。

IHRAは高速鉄道オペレーターや、高速鉄道建設を検討している人々に情報共有の場を提供することを目的に10年前に設立されました。真の高速鉄道の導入を検討している人々は、IHRAの公式会議のみならず様々なネットワーキングを通じて、政治的、財政的、技術的課題に挑んだ人々と直接話すことができます。IHRAの創設者、会員、アドバイザーの努力のおかげで、私の母国である米国も含め多くの国で本格的な高速鉄道プロジェクトがこれまで以上に真剣に検討されています。

設立10年を迎えたIHRA、おめでとう!高速、安全、経済的、クリーンな交通手段を多くの人々に提供し、国の経済にトランスフォーメーションをもたらすために力を尽くしているIHRAに理事長代理として貢献する機会を与えられていることを光栄に思います。