一般社団法人国際高速鉄道協会(International High-Speed Rail Association: IHRA)は、2024年4月1日をもちまして設立10周年を迎えました。
IHRAは、政府機関でもなく、プロジェクトの受注を目指す企業でもない、公益的な理念に基づいて国際的に活動する組織として、安全で信頼性の高い高速鉄道の導入を目指す各国の政府、議会、経済界の要人や報道関係者に対して、様々な形でアプローチをしてきました。「Crash Avoidanceの原則」と「トータルシステムアプローチ」に基づく高速鉄道システムに関する情報、知見や経験の共有を目的とする10年間の活動を通じて、新幹線システムへの理解が進み、共感が広がりつつあることを実感しています。
持続可能な経済・社会の発展や脱炭素社会の実現が求められる中、世界では高速鉄道への関心がますます高まっています。「HSR is not just transportation, it is transformation」という、最も重要な真実の共有を目指すIHRAの役割は、10年前と比べ、より一層重要になっていると思います。
IHRAは、世界初の高速鉄道である東海道新幹線の開業50周年という機をとらえ、2014年4月に設立されました。IHRAの活動開始当初は、先達も先例もなく、まさに「海図なき航海」でした。にもかかわらず、この10年間IHRAの活動を継続することができましたのは、IHRAの理事、委員、会員、ゲスト、歴代の事務局メンバーや、私たちが訪問した国々でお会いした多くの方々など、それぞれのお立場でIHRAの活動に関わっていただいた皆様の変わらないご厚意、ご支援の賜物です。とりわけ、IHRAの設立時からご就任いただいている委員の皆様や、委員の立場を離れた後も変わらず応援していただいている皆様の存在が無ければ、IHRAの活動は容易ではなかったことでしょう。10周年を迎えた今、あらためて、IHRAの活動を温かくご支援いただいてきた皆様のお顔が目に浮かびます。IHRAは、皆様への感謝の気持ちを忘れず、皆様とのご縁を大切にして、今後一層活動を充実させていく所存です。
今年10月には、台湾高鐵の協力を得て、IHRA会議2024を台湾の台北にて開催します。さらに、2025年の10月には、5回目の開催となるIHRAフォーラム2025を東京にて開催する予定です。
IHRAは、これからも世界の高速鉄道の発展に貢献すべく全力で活動してまいりますので、今後ともご支援、ご協力を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。