日本及び台湾の高速鉄道は、平面交差のない高速旅客鉄道専用の軌道と、ATC (Automatic Train Control:自動列車制御)システムにより構成される「Crash Avoidance(衝突回避)」の原則に基づく高速鉄道です。さらに、システム全体を統一的に捉え、ハードとソフトを最適に統合する「トータルシステムアプローチ」が加わることにより、世界最高水準の安全性・信頼性を誇る、高速・大量・高頻度輸送を実現しています。新幹線の特徴は、高速鉄道による社会変革及び発展にとって必要不可欠な要素であり、新幹線を支える技術には高い安全性と信頼性が求められます。
今回は新幹線の安全・安定輸送に貢献しているIHRAの正会員企業:京三製作所からのメッセージをご紹介します!
「新幹線は高速・大量輸送システムとして我々の生活に不可欠なインフラであり、高い安全性と信頼性を確保するための信号システムはその運行に非常に重要な役割を担っています。京三製作所は創業以来培ってきた鉄道信号技術と経験を活かし、新幹線の安全・安定輸送に貢献してきました。
鉄道信号技術の原則に「フェールセーフ」という概念があります。これは万一の故障や事故の際に装置やシステムが必ず「安全」側に動作するという考え方であり、鉄道輸送の安全を司る信号システムにおいて最も重要視しなくてはならない基本原則です。新幹線信号システムは、この原則をベースに設計されたATC地上・車上装置を中心に、高い安全性を備えた高速・大量輸送と快適な乗り心地を実現しています。
京三製作所の鉄道信号技術は常に「フェールセーフ」を実現するため、テクノロジーの研究開発と実用化を推進し、より「安全・高速・大量・快適」な運行を目指して進化する新幹線システムの一翼を担い、交通文化の創造に貢献するシステムを提供していきます。
東海道・山陽・九州新幹線で培った鉄道信号技術は初めての海外新幹線システムとなった台湾高速鉄道にも活用されており、開業以降、安全・安定に稼働し続けています。また新駅追加やO&Mなど様々なニーズに柔軟にお応えしてきたほか、転轍機に代表される新幹線専用の現場機器なども手がけており新幹線運行の実績を積み上げてきました。50年以上かけて培った技術・経験をもとに、今後更なる設備の省力・省スペース化や運営コスト削減のための状態監視機能をより充実させ、安全かつ持続可能な新幹線鉄道網構築の一翼を担いグローバルに展開していきます。」

TSRB(列車制御架)

NTS型転轍機
新幹線は数多くの関係者に支えられて日々安全に運行をすることができています。
今後も随時、新幹線を支えるIHRA会員企業について紹介をしていきます。